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東京2020オリンピック・パラリンピック – 参加スタッフレポート01|6大会連続でアスリートを支える
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2021-12-28
バウアーファインドは、東京2020オリンピック・パラリンピックの公式サプライヤーを務め、選手村でアスリートたちをサポート。日本正規輸入代理店であるパシフィックサプライからも4名の義肢装具士が参加し、装具室の設営準備や運営などを担当しました。
参加スタッフレポート1回目となる今回は、バウアーファインドによるオリンピックでの取り組みや東京2020大会準備期間の活動内容をご紹介します。
バウアーファインドとオリンピック
6大会連続でIOC公式サプライヤーに
東京2020大会で6大会連続の公式サプライヤーとなったバウアーファインド。2001年から行っていたドイツ代表チームへのサポートをIOCが着目し、2010年のバンクーバー大会よりオリンピック・パラリンピック公式サプライヤーに選出。サポーター分野では11社と競合した上での選出となりました。
独自の医療チームを持たず、そのケアを受けられないような国の選手もサポートすることで、アスリートたちが平等にスタートラインに立てるようにする。こうした理念のもと、オリンピック選手村内のポリクリニックでバウアーファインド製品を提供するサービスを実施。バンクーバー大会では80カ国・6,500人ものアスリートたちのケアを行いました。
この功績が認められ、2012年のロンドン大会では整形装具・サポーターの専任公式サプライヤーとなり、205カ国・約1万人のアスリートをサポート。「2014年ソチ」「2016年リオ」「2018年平昌」の各大会でも公式サプライヤーに選出され、高い評価を得ました。
アスリートをケアする「ポリクリニック」とは?
ポリクリニックは、整形外科・内科・皮膚科・眼科・歯科などがそろう選手村の総合診療所で、出場する選手や関係者の診察・治療を行います。中でも、怪我や過度なトレーニングによる痛みなどを訴えるアスリートは、医師が診察し、必要に応じて装具の処方箋が出されます。
そして、ポリクリニック内の装具室では処方箋に基づき、受診者の身体の状態や使用目的に合わせて、最適なバウアーファインド製品を適合して提供。怪我の回復やコンディションの調整、パフォーマンスの向上を支え、アスリートたちが少しでも万全の状態で試合に臨めるよう、バウアーファインドのスタッフは全力でサポートしてきました。
東京2020オリンピック・パラリンピックにも貢献
110カ国のアスリートがバウアーファインドのサービスを利用
東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村へ、ドイツにあるバウアーファインド本社から提携ドクターや理学療法士、社員が派遣され、2021年7月13日〜9月11日のおよそ2カ月にわたってポリクリニック内の装具室で、バウアーファインド製品の提供を行いました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、これまでの大会と比べてさまざまな制約があったなか、110カ国・683名のアスリートにバウアーファインド製品を提供しました。詳しいデータは参加スタッフレポート03でご紹介しています。
4名の義肢装具士がサポートチームのスタッフとして参加
ポリクリニック内の装具室の開設準備や運営のためにパシフィックサプライから参加した4名のスタッフをご紹介します。
志田 幹雄
卸事業本部 営業部
東京第2営業課 営業2係
▼東京2020大会での業務
装具室の設営準備を担当。
▼普段の業務内容
義肢装具の卸販売の営業を担当。2021年6月、東京・御茶ノ水にオープンしたバウアーファインド初の国内旗艦店「BAUERFEIND FLAGSHIP TOKYO」で接客サービスも行っています。
大川 可奈絵
事業開発本部 事業推進部
来社型義肢装具サービス事業課
▼東京2020大会での業務
装具室の設営準備と運営サポートを担当。
▼普段の業務内容
大阪にある本社で、来社したお客さまの接客対応などを行っています。義肢装具の製作をはじめ、車椅子や福祉用具などの修理・メンテナンスも担当。身体の悩みに応じてバウアーファインド製品なども提案しています。
筏 政人
事業開発本部 新規事業開発部
スポーツ・オリパラ事業開発課
スポーツ事業開発係
▼東京2020大会での業務
オリンピック大会期間中、装具室の運営サポートを担当。
▼普段の業務内容
バウアーファインド製品の企画営業・マーケティング、「BAUERFEIND FLAGSHIP TOKYO」で接客も担当。パシフィックサプライで開発した装具や計測機器の企画営業も行っています。
大泉 寛紀
卸事業本部 営業部
東京第2営業課 営業2係
▼東京2020大会での業務
パラリンピック大会期間中、装具室の運営サポートと片づけを担当。
▼普段の業務内容
義肢装具の製作所に向けて卸販売を行い、必要に応じてバウアーファインド製品も提案。「BAUERFEIND FLAGSHIP TOKYO」で接客も行っています。
参加したスタッフは一生一度の体験にワクワク?!
東京2020大会の選手村で業務を行う。そんな一生に一度の貴重な体験ができることが決まったとき、スタッフはどんな心境だったのでしょうか?
志田:今回の派遣は、「義肢装具士」の国家資格を持ったメンバーが選抜されたのですが、実際にお話をいただいたときは、なかなか実感がわかなかったです。バウアーファインド本社のスタッフや装具室を訪れる選手たちの会話は全て英語と聞いて不安になりましたね。参加が決まってからあまり期間がなかったのですが、とりあえず英語の参考書を買って、日常会話ぐらいはできるように勉強しました。
大川:入社1年目が終わる頃に参加のお話をいただいたのですが、聞いた瞬間「行きたいです」って即答しました。決まったときは、すごくワクワクしていましたけど、その後すごいプレッシャーを感じたのを覚えています。やらなきゃいけないことがたくさんあって、とにかく英語と製品について勉強しました。
筏:選手にとってオリンピックは一生一度の大舞台。人生をかけて臨んでくるので、こちらも生半可な気持ちで接することはできないと思いました。言葉でつまずかないよう英語をしっかり身につけ、最適な製品が提供できるよう、製品の知識を熟知し、フィッティングの能力も高めようと思って準備しました。
大泉:めったにない経験ですから、お話をいただいたときは「ぜひ!」という気持ちでした。うれしい反面、処方箋に基づいて、ちゃんと最適な製品を適合・提案できるのか、不安も大きかったです。バウアーファインド本社のスタッフから事前に製品に関する教育も受け、英語も勉強するなど、しっかり準備をして臨みました。
東京オリンピック選手村で装具室を設営
最適な製品を提供するため、約8000具の製品を準備
ポリクリニック内の装具室には、バウアーファインド本社から計測などに必要な機器と約8000具もの製品が運ばれました。さまざまな競技・体格のアスリートが集うため、サイズのバリエーションを豊富にそろえ、ストックを切らさないようにするには膨大な数の製品が必要となります。
できるだけ多くの選手に効率よくサービスを提供するために5日ほどかけて、この膨大な数の製品を整理し、倉庫に配置したそうです。こうした装具室の設営・準備にパシフィックサプライの志田が参加しました。
志田:ドイツから来たバウアーファインド本社のスタッフ3名と一緒に設営・準備を行いました。スムーズに対応できる動線や選手のプライバシー確保にも配慮しながら待合室や適合スペースを設営し、機械類を設置していきました。
8000具もの製品を身体の部位に応じて仕分けし、どこに何があるかわかりやすいよう倉庫の棚に並べるなど、10日間の参加期間のうち5日間はこうした準備に追われていました。
本社のスタッフとの会話はすべて英語です。ポケトークにも助けてもらいながらコミュニケーションをとって、フロアマットなど足りない備品があればホームセンターへ一緒に行って調達してきました。
各国のチームドクターや理学療法士に製品を案内
参加した10日間の残りの5日間は、見学に来られたチームドクターや理学療法士に、装具室での適合・提供の流れやバウアーファインド製品の紹介を行ったそうです。
志田:日本のスタッフも含め、20カ国以上の方が見学に来られて、装具室や製品についての紹介を行いました。バウアーファインド自体をよく知らない方もいらっしゃいましたが、自国にはない製品があったり、デザイン性のよさ、サイズ展開の豊富さなどに驚いている様子で、興味を持って説明を聞いていただけたのがよかったです。
バウアーファインド製品の魅力を知っていただく良い機会になりましたし、自分自身改めて「世界に通用する製品」ということが実感でき、バウアーファインドの魅力を広めたいと思いました。
新型コロナウイルス感染に注意しながら
コロナ禍で開催自体が不安視されていた中での設営・準備の業務でしたが、どんな苦労があったのでしょうか。
志田:PCR検査は毎日行い、選手村に入るときに検温はもちろん、持ち物検査もあり、かなり厳重にチェックされていました。苦労した点はやはり英語でのコミュニケーションですね。
でも、本社のスタッフがみんな親切で、空いた時間に一緒に散歩したり、どんな音楽が流行っているとか雑談したり、最終日には一緒にお寿司を食べに行き、楽しい時間もあって本当に貴重な経験ができたと思います。