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東京2020オリンピック・パラリンピック – 参加スタッフレポート03|パラリンピック&選手村の閉村まで
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2021-12-28
バウアーファインドは、東京2020オリンピック・パラリンピックの公式サプライヤーを務め、選手村でアスリートたちをサポート。日本正規輸入代理店であるパシフィックサプライからも4名の義肢装具士が参加し、装具室の設営準備や運営などを担当しました。
参加スタッフレポート3回目となる今回は、東京2020パラリンピック大会期間中の活動内容と参加スタッフの総括、利用者のデータなどをご紹介します。
パラリンピック選手村での活動
パラリンピック選手をしっかりケア
オリンピックに続いて、パラリンピック開催期間中もポリクリニック内の装具室で製品の適合・提供を行ったバウアーファインド。サポートチームの一員として大泉が参加しました。
大泉:私が参加した8日間のうち、3日間は装具室を訪れた選手を案内したり、短い時間でしたが適合も行ったり、残りの5日間は装具室の撤収作業を行いました。
印象的だったのは、選手たちの表情の変化ですね。足を引きずるなど怪我をした選手がとても不安な表情で装具室にやって来るのですが、帰りには笑顔になっている方が多くて。バウアーファインド本社のスタッフがヒアリングやフィッティング、そして製品の説明もすごく時間をかけて丁寧に行っていて、徐々に不安な表情が薄れていくのを感じました。
また、製品を提供した選手がメダルを取ったことを報告しに来てくれて、スタッフみんなで盛り上がっていたのも印象深い出来事でした。
自分が関わっている製品で、こんな笑顔になってくださる方が確かにいる。さらに、パラリンピックのトップアスリートにも喜んでいただける。本当にいい製品なのだと改めて実感しました。
車いすを使う方ならではの悩みにも対応
車いすを使う選手が多く訪れ、バウアーファインド本社スタッフの対応から学ぶことがあったようです。
大泉:腰痛で悩んでいる方が多く、トレーニングや試合だけでなく、慣れない移動などで腰痛を起こしてしまった方も。これから飛行機に乗って帰国するので痛みを少しでも和らげたいというニーズもありました。
こうした方々に対して、サクロLOCやバックサポートが処方されるケースが見られました。バウアーファインド本社のスタッフは、座ったままの選手が装具を付けたときに、足の付根などに装具が食い込んでいないか、動きやすいかなど、細かく丁寧にチェックしていて、これは普段の業務でも取り入れなければと感じました。
日本の関係者も興味を持って装具室へ
装具室での選手への対応や片付けのほか、日本の医師や理学療法士、看護師などのスタッフへの案内も行ったという大泉。みなさんはどんな反応だったのでしょうか?
大泉:ポリクリニック内の日本人スタッフにご挨拶して装具室やバウアーファインド製品のことをご説明してまわっていました。もともとバウアーファインドのことが気になっていた方がいて、興味を持たれた方には装具室へ来ていただき、実際に製品を試着していただいたことも。
「やっぱりオリンピックでも選ばれるくらいだから、ちゃんと考えられて作られた製品」「動きやすさも考慮した形に考えられている」「自分もスポーツするときにも使える」などの感想をいただき、好評でした。
大会が終わり、いよいよ閉村
大泉はパラリンピックの閉会式が間近に迫った選手村の雰囲気も印象的だったといいます。どんな雰囲気だったのでしょうか?
大泉:閉会式へと向かう選手一同が選手村からバスに乗っていく光景が圧巻でした。もう大会が終わってしまうんだなという寂しさもありましたね。
閉会式後、国ごとに選手たちが集まって帰国するときもすごく盛り上がっていて、名残惜しそうに集まってる方々、見送りするボランティアの方々の姿を見て、すごくいい現場だなと感じたのを覚えています。
装具室の片付けは、3日ほどかけて行い、60種以上・約5,600個の在庫を段ボールに詰め、ドイツへと発送。豊富な製品のストックで、最後の1人まで最適な製品をご提供することができました。
東京オリンピック・パラリンピックを通じて得たもの
バウアーファインドの魅力を再認識
オリンピック・パラリンピックを通じて、選手をはじめ、医師や理学療法士といった各国の医療チームからも好評を得たバウアーファインド製品。「BAUERFEIND FLAGSHIP TOKYO」で接客する志田は、オリンピックの反響を実感しているとか。
志田:オリンピックで選手が身につけている装具を見て、どこのメーカーなのかを調べて来店されたお客さまがいて、そういう方が増えてきたのもすごくよかったと思いますね。
今までいろんなアスリートにも使っていただいているとは聞いていたんですが、実際にテレビでバレボールの選手が使っているのを見て、やっぱり使ってもらっているのだとうれしい気持ちになりました。
選手がお礼に書いてくれたサインを写真で見せてもらったときもうれしかったです。私が参加したときはまだ準備期間でしたので、壁は真っ白でしたが、びっしりとサインで埋まっていて、それだけの数のアスリートをサポートできたことは、改めてすごいことだと実感しました。
貴重な体験を通じて学んだこと
自国開催のオリンピック・パラリンピックでアスリートたちをサポートする。そんな貴重な体験を通じて、参加した4名はたくさんのことを学んだといいます。
志田:慣れていない仕事を経験してみると、そこから学ぶことが多いですね。今後も、難しくてやりたくないなと思わずに、新しいことに挑戦していきたいと今回の参加を通じて感じました。
ドイツの本社スタッフとコミュニケーションが英語で難しかった分、会話の重要性が改めてわかりました。まずはお客さまの話をしっかり聞くこと、その上で提案するという当たり前のことですが、その大切さを学ぶことができました。
大川:バウアーファインド本社の方から直接、製品や機械について教えていただいたことが学びとして大きかったですね。とても貴重な経験になりました。
採寸時に身体に触れずに測ることができる機械が装具室で使われていて、とてもスムーズに採寸できるので、これはぜひ普段の業務でも取り入れたいと思いました。
あと、機械が動かなくて困っているとき、自分が行動したことで問題が解決して、スタッフみんなが喜んでくれたのが自分にとってもすごくプラスになりました。「自分が動かないと何も変わらない」という前向きな考え方で、今も仕事に励んでいます。
一生に一度の貴重な経験ができ、得るものがすごくありましたので、これからそれを無駄にしないような働きをしていくことが大事かなと思っています。
筏:やはり日常では味わえない経験でしたので、多くの学びがありました。中でも大きいのは、視野が広がったこと。これまでは目の前のお客さまや日本の病院の患者さんだけが提供するサービスの先にいると考えていたことで、狭い視野の中で仕事をしていたと感じました。
今回の経験で、バウアーファインドの製品は世界中の人たちにも喜ばれる製品で、しかも自分の接客で喜んでいただけることも実感でき、自分の仕事や提供できるサービスの先は、もっともっと広いことがわかりました。
製品の種類も豊富で、適用できる範囲が広く、トップアスリートから高齢者まで幅広い方にお使いいただけるものなので、いいフィッティングをするために、症状だけで必要な装具を決めつけてはいけないですね。いったん心を真っさらにして、「この方は何を求めてるんだろう」「どういう質問をしたらフィッティングに役立つのか」と考え、丁寧にコミュニケーションをとることが必要だと学びました。
装具室での応対で、コミュニケーションを積極的にとろうとしたらうまくいったので、受け身はダメだということも改めて実感。自分にできること、自分にもできるぞという姿勢をしっかり表現することが大事です。言われたことをやるだけでなく、プラスアルファで何か自分にできることを探すようになったので、自分にとって本当に大きな経験となりました。
大泉:バウアーファインド本社スタッフの対応が勉強になりました。とにかく選手と丁寧に会話を重ねていて、その姿勢は普段の接客で取り入れるようになりました。
バウアーファインド製品は、種類やサイズのバリエーションの多さが魅力のひとつなので、「どんなときに不安や痛みを感じるのか」など、お客さまへのヒアリングや採寸を丁寧に行い、ニーズに最適な製品がしっかりご提案できるようにがんばりたいと思います。
Statistic:東京2020オリンピック・パラリンピックでの利用データ
東京2020オリンピック・パラリンピックでバウアーファインドが提供したサービスの利用データの一部をご紹介します。